2010-01-01から1年間の記事一覧
奈良の明日香村を舞台にした散策系ヒューマン・ドラマ&ミステリー作品。 ぐいぐい読ませる面白さがある。描写や構成も上手くて、読んでいて背筋が ゾッとする場面もあった。「ユージニア」もそういう場面があった。 今更気付いたんだけど恩田陸って歴史とか…
どっかに連れ去られる前に、付き合っていた5人の女性に謝りに行く話。 構成としては「死神の精度」に近い。 最近の伊坂作品の中では面白かった。企画ものなので「第2期」としての 作品として書くのではなくて、自身の得意な手法でパパッと書いたのだろう。…
高校生の日常の、少し裏側を描いた作品。 華やかな人は、華やかな人とグループ作って、 地味な人は、地味な人とグループ作って、そこには 超えられない壁があって、とかそんな話。 誰もが共感しやすい話だとは思うけど(だから売れる) 現実はもっと面白おか…
江戸時代前期の囲碁棋士が人生を賭して改暦に挑む話。 まあ、面白かった。
父親が4人いる、不思議な家庭の話。 この作品のあとがきで著者自身が明確に語っているのだけれど、 ある時期から、何か「大きなテーマ」がないと作品を作ることができなくなって しまったそうだ。例えばそれが、「ゴールデンスランバー」や「モダンタイムス…
「I 闘蛇編」「II 王獣編」「III 探求編」「IV 完結編」の感想をまとめて。「守り人」シリーズと同様、中世の和洋折衷世界を舞台としたファンタジー。 人に慣れない「王獣」という獣と、王獣に心を通わせるエリンという少女の 足跡と、それを取り巻く世界が…
チェスの小説。本の雑誌が選ぶ2009年度2位作品。 小川洋子の描く美しい世界。 はかなくて、美しくて、もどかしい。とてもいい作品なのだけれど、 資本主義の荒波を生きている今の自分にとってはあっさりしすぎていた。 (でも、よかったです。)
姥捨てにあった老婆達が形成した「デンデラ」というコミュニティーを舞台にした物語。 本の雑誌が選ぶ2009年度1位作品。 登場人物は全員婆さん。主人公も70歳。リアリティに乏しい部分もあるけれど、 着想がよく、楽しめた。